しかし、最近雑誌を購入するのはエディタ特集のときだけ……。
第一章
基本的な話なので省略。
第二章
findの使い方が載っているのは良いですね。あまり使わないとよく引数を忘れます。procの説明もあって、あれ? この特集ってエディタの話が主だったはずじゃ……。
第三章
サーバ管理とファイル編集の話。エディタの話が全然でてきません……。
第四章
ここはようやくVimの話。ということで、詳しいレビュー(というか正誤表?)をお送りします。
Vim基本編
P.45
「某OS付属のチープなエディタ」……「メモ帳」ですね。分かります。
「分割したウィンドウを閉じるのは「:q」コマンドです」……まぁ、間違ってはいないですが、:closeのほうが良いと思います。:qだと、ウインドウが一個のときに終了してしまうので。おそらく、:closeは冗長だから:qを紹介したんでしょうね。:qは、「ウインドウが一個のときは終了、そうでないときはアクティブなウインドウを閉じる」という動作をします。ちゃんと説明すれば混乱することはないと思いますが、初心者には分かりにくいかもしれません。
P.46
リスト1……nmapを使ってはいけません。nnoremapを使いましょう。nmapだと、キーマッピングが展開されてしまいます。例えばkanaさんのように、: -> ; とキーをマッピングしている場合に問題が発生します。nmapとnnoremapの違いを理解している人は少ないので注意が必要です。
:bpよりは、:bprevious, :bnよりは、:bnextのほうが良いと思います。.vimrcに書くときはできるだけコマンドを省略しないようにしましょう。
修正例:
nnoremap <C-p> :bprevious<CR>
nnoremap <C-n> :bnext<CR>
Vimプラグイン編:
紹介されているのは、surround.vim, NERD_commenter.vim, unite.vimです。ちなみに、unite.vimが雑誌で紹介されるのは初めて!
unite.vim
私の書いたプラグインなので、ここは詳しくフォローしておきます。
unite.vimはgithubにもありますが、vim.orgにもあります。ただし、vim.orgにあるのはまだ古いバージョンのため、githubの紹介しておいたのは正解でしょう。できれば、git cloneで取ってくる部分の解説があると良かったですね。
-buffer-nameに関する解説がないのはちょっと致命的です。ファイルやバッファ系のsourceを指定する場合は、:Uniteの引数に-buffer-name=filesとしないと、~が展開されません。人によってはひどく不便になる可能性があります。
この特集では、unite.vimのsourceが一つしか指定されていません。これでは機能がFuzzyFinderやku.vimとあまり変わらず、unite.vimの特徴が生かせません。sourceを複数指定して横断検索できることを触れておくと、良かったと思います。
細かい部分ですが、unite.vim, unite, Uniteと表記が揺れているのが気になります。ちなみに正式名称は検索しやすいように、unite.vimです。
第五章
ようやくEmacs特集です。初心者向けのレスキュー技が細かく書かれているのがすごく印象的でした。こういう記事は今まで見たことがなかったので。Emacs使ってみたけどよく分からなくなってしまった初心者には役立つ記事でしょう。Emacsからのシェルの起動ということで、M-x terminal-emulatorが紹介されていました。個人的には、M-x terminal-emulatorよりはM-x ansi-termやM-x multi-termの方が一般的かな、と思います。この章で一番驚いたのは、井上さんがeshell使いだったことです。私もvimshellを開発しているので、eshellの良さはよく分かります。最近るびきちさんもeshellに乗り換えたようですし、eshell界隈が熱くなってきましたね。
第六章
端末使用時のトラブルシューティング的な章。Windowsでtelnetからのリモートログインのやり方が載っていたのは、ちょっと珍しい記事だと思いました。
結論
Vimの部分は思っていたよりもよく書けていました。unite.vimが初めて雑誌に紹介されていたのも嬉しいです。Emacsの解説は比較的少なかったのですが、「Emacsトラノマキ」が最近レベルが高くなってしまっているので、初心者に配慮したのでしょう。エディタ好きなら買うしかない号だと、私は思います。管理者向けの話も多いので、エディタをよく使う管理者にもオススメ。
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