2013年5月19日日曜日

編集王(エディットキング) バトルエディターズ 第2話:彼の名は暗黒美夢王(後編)

注意:この物語はフィクションです。実在する人物・団体・ソフトウェア・テキストエ
ディタとは一切の関係がありません。宗教論争をする意図もありません。

注意:この物語を読んだところで、テキストエディタの知識が付くわけがありません。
物語中に存在するテキストエディタのネタはオマージュ程度であり、知っている人がほ
くそ笑む程度のものです。期待しないようにしましょう。

注意:この物語は皆の反応を見るためのテスト版であり未完成です。話の内容は予告な
く変更される可能性があります。

「ルールを守って楽しくエディット!」

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Scene 1
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「私はこれでターンを終了します」

来夢:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 2000 メモリ 6/8 メインエディタ Vim

特殊コマンド「モード変更」の機能が無効となったことにより、Sublime Text2の戦闘力
は元に戻る。今が反撃のチャンスのはずだ。

Sublime Text2 戦闘力 3500 → 1500

信じるしかない。自分のエディタを。我はディスクから渾身のロードを行った。
「我のターン! ロード!」

来夢:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 2000 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

「こ、このコマンドは!」

「お前、『Vimの後継者』という妄言を撤回する準備はできているか?」

「私は無傷、あなたのEPは2000。この状況で負け惜しみですか。みっともないです」

「ならば我は特殊コマンド『デグレード』の機能を適用する! このコマンドは相手の
プラグインの機能を『インストールしたエディタの戦闘力を400P下げる』に変更する。
プラグインのデグレードの恐しさ、味わうがいい」

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|デグレード:特殊コマンド・永続(デーモン)
|相手のメモリ上のプラグインのもともとの機能を無効にし、次の機能に変更する。
|「このプラグインをインストールしたエディタは戦闘力が 400 P 下がる。選択したプ
|ラグインがメモリ上に存在しなくなった場合、このコマンドをトラッシュに送る。
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Sublime Text2 戦闘力 1500 → 1100

「わ、私のVimが……」

「『Vimtage mode』は封じた。これでお前のエディタは名実共にSublime Textとなった
な。VimでSublimeText に対し、バトル!」

「くっ……」

来夢:EP 3600 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 2000 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

「これで我はターンエンド」

とりあえず、このターンで相手のプラグインを封じこめることができた。EP も減らせて
上々といったところか。

- TURN 3 -

「よくも私の Vim を……。もう許しません。私のターン、ロード!」

まぁ、最初からSublime Text2はVimではないと思うが。

来夢:EP 3600 メモリ 5/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 2000 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

彼女から感じる、これまでとは明らかに異なる強い気迫。

「これは……。ついに来ました。『Vimtage Mode』がなくても、勝負(エディット)に勝
てばよいのです。勝てば」

もはや彼女にとって、「Vim の後継者」というのはどうでもよくなったようだ。

「Sublime Textの真の恐しさ、あなたに見せてあげます」

どうやら、相手は切り札となるコマンドをメモリからロードすることに成功したらし
い。来るぞ!

「私は特殊コマンド『アップグレード』をSublime Text2に適用します! アップグレー
ドコストとして、EP 1000を支払い、Sublime Text2をアップグレード。エクストラディ
スクより、Sublime Text3 を特殊実行!」

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|アップグレード:特殊コマンド
|アップグレードコスト 1000 を支払うことで、メモリ上の選択したエディタをバージョ
|ンアップしたエディタをエクストラディスクより特殊実行する。プラグインを引き継げ
|るどうかはアップグレードしたエディタの機能に依存する。
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Sublime Text3 戦闘力 1500

「これが……Sublime Text3」

「Sublime Text3はSublime Text2のプラグインを引き継げません。しかし、新しくプラ
グインをインストールすればよいこと。私はSublime Text3に『Package Control』をイ
ンストール! Sublime Text3 にプラグインがインストールされたことにより、Sublime
Text3の戦闘力は 500Pアップ!」

来夢:EP 2600 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 2000 メモリ 6/8 メインエディタ Vim

プラグインの互換性がないことにより、Sublime Text2 がインストールしていたプラグ
インがトラッシュに置かれたため、『デグレード』もトラッシュに送られた。

Sublime Text3 戦闘力 1500 → 2000

「Sublime Text3でVimに対しバトル!」

「『モード変更』の機能でこのターンはアタックできないはずでは?」

「確かにその通り。しかし、『モード変更』を使用したのは Sublime Text2です。別
のエディタであるSublime Text3には適用されません」

「そこまで考えてのアップグレードだったか。やるな」

「ふん。あなたに褒められても嬉しくありませんわ」

デグレードを回避したというだけでなく、別のエディタである Sublime Text3を実行す
ることで、モード変更のコストをも回避したというわけか。ああ見 えて、戦略を考えて
いると見える。こちらも全力で相手しないと。我は不思議と高揚していた。これだか
らテキストエディタというのはやめられない。

「全く、テキストエディタは最高だぜ!」

「い、いきなり何を言っているの。私のエディタを見てニヤつくだなんて。この、変態」

「それは聞きずてならないな。変態(へんたい)、じゃなく編集(へんしゅう)と読んでく
れ。その方が落ち着くんだ」

「やはり、テキストエディタの使いすぎで頭がおかしくなったみたいですね。私があな
たの頭をデバッグしてあげます。Sublime Text3でVimにバトル!」

「く……」

来夢:EP 2600 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1500 メモリ 6/8 メインエディタ Vim

「これで私はターン終了です」

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Scene 2
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「我のターン、ロード!」

来夢:EP 2600 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 1500 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

「我はプラグイン『neo-snippet』を Vim にインストール! さらにneo-snippetの機能
を適用。EP を 500 支払うことで、メモリ上に neo-snippet トークンをプラグイン扱い
でエディタにインストールする。『ネオ・スニペット・エキスパンション!』」

Vim 戦闘力 1500 → 2000 → 2500

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|neo-snippet:プラグイン・Vim
|このプラグインはVimにのみインストールすることができる。
|機能『ネオ・スニペット・エキスパンション』 EP を 500 支払うことで、メモリ上に
|neo-snippet トークン(機能なし)をプラグイン扱いでエディタにインストールする。
 -------------------------------------------------------------------------------

「VimでSublimeText 3にバトル!」

「ふん、かすり傷です」

来夢:EP 2100 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 8/8 メインエディタ Vim

「我はこれでターンエンド」

- TURN 4 -

「私のターン。私は『Package Control』の機能で、ロードフェイズをスキップし、
Sublime Text3にプラグインをインストール!  『パッケージ・インストレーショ
ン!』」

Sublime Text3 戦闘力 2000 → 2500

 -------------------------------------------------------------------------------
|Package Control:プラグイン・Sublime Text
|このプラグインはSublime Textにのみインストールすることができる。
|機能『パッケージ・インストレーション』 この機能はロードフェイズにのみ適用できる。
|ロードフェイズをスキップし、エディタにプラグインを1つランダムでインストールする。
|このプラグインがメモリ上に存在しない場合、この機能でインストールされたプラグイ
|ンをトラッシュへと送る。
 -------------------------------------------------------------------------------

「さらにここで、特殊コマンド『インスタント・プラグイン』の機能を適用! さきほ
どインストールしたプラグインの機能を無効にすることで、プラグイントークンをエ
ディタにインストールします」

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|インスタント・プラグイン:特殊コマンド
|機能『インスタント・インストレーション』 自分のメモリ上のプラグインを一つ選択
|する。このプラグインの機能を無効にすることで、プラグイントークン(機能なし)をエ
|ディタにインストールする。
 -------------------------------------------------------------------------------

Sublime Text3 戦闘力 2500 → 3000

「まだ終わりではないわ。Sublime Text3の機能、適用! このコマンドにプラグインが
3 つ以上インストールされている場合、EP を プラグインの数x100支払うことで、この
コマンドは 2 回の攻撃が可能になる。『サブライム・マルチスレッド!』」

来夢:EP 1800 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 8/8 メインエディタ Vim

そうか、彼女は戦闘力を単に上げるだけでなく、二回攻撃を狙っていたのか。二回の攻
撃は、生半可なコマンドでは対処 が難しい……。

「戦闘力 3000……しかも二回アタックなんて、もう美夢王も終わりだな」
「あーあ、結構盛り上がったのになー」
「残念」

諦めに満ちた声が聞こえてくる。しかし、我はここで終わるわけにはいかない。

「我は特殊コマンド『conceal』を Vim に適用! このターン、Vimはバトルとコマンド
の機能の対象から外れる」

Sublime Text2 戦闘力 3000
Vim 戦闘力 ?

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|conceal:特殊コマンド・速攻(クイック)
|このコマンドの機能はvi/Vimにのみ適用することができる。
|機能『コンシール・スキップ』 自分のメモリ上のVimエディタはこのターンのエンド
|までバトルとコマンドの機能の対象とならない。ただし、このターンのVimはバトルと
|機能の適用を行えず、インストールしているプラグインも無効化される。このコマンド
|の機能は相手のターンでも適用できる。
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「くっ、命拾いしたわね。これで私はターンを終了します」

来夢:EP 1800 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

とっさにコマンドを使わないと危なかった……。

「たとえこのターン、ギリギリで凌いだとしても、戦闘力の差は明白。次の私のター
ン、あなたは終わりです」

「確かに、そうかもしれない。だが、編集(エディット)は最後の最後まで分からないも
のだ。これが、我のラスト・ロード!」

来夢:EP 1800 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 8/8 メインエディタ Vim

我は、ロードしたコマンド名を見て、確信した。

「クックック、完成したぞ。勝利のアルゴリズムが」

「我はVimにインストールした『neo-shell』の機能を適用! メモリ上のコマンドをト
ラッシュに送ることでこのターンの戦闘力をそのコマンドの戦闘力と同じだけアップさ
せる。『ネオ・シェル・エクステンション!』」

「我がトラッシュに送ったのは、戦闘力 400 のコマンド。よって、戦闘力 400 アッ
プ!」

Vim 戦闘力 2500 → 2900

来夢:EP 1800 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 7/8 メインエディタ Vim

 -------------------------------------------------------------------------------
|neo-shell:プラグイン・Vim
|機能『ネオ・シェル・エクステンション』 メモリ上のコマンドを一つトラッシュに送
|る。このターン終了まで、このプラグインをインストールしたテキストエディタの戦闘
|力は1.5倍となる。この機能は1 ターンに一度のみ適用可能である。
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Vim 戦闘力 2500 → 2900

「さらに、我はロードしたプラグイン『neo-complete』をVimにインストール!」

 Vim 戦闘力 2900 → 3400
 Sublime Text 3 戦闘力 3000

「そして我は『neo-complete』の機能を適用する! メモリ上のコマンドを一つトラッ
シュに送ることで、Vim の戦闘力を 1.5 倍にする。『ネオ・コンプリート・フラッ
シュ!』」

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|neo-complete:プラグイン・Vim
|機能『ネオ・コンプリート・フラッシュ』 メモリ上のコマンドを一つトラッシュに送
|る。このターン終了まで、このプラグインをインストールしたテキストエディタの戦闘
|力は1.5倍となる。この機能は1 ターンに一度のみ適用可能である。
 -------------------------------------------------------------------------------

来夢:EP 1800 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 6/8 メインエディタ Vim

 Vim 戦闘力 3400 → 5100
 Sublime Text 3 戦闘力 3000

「戦闘力 5100 ……ですって?」

「VimでSublimeText 3にバトル!」

「きゃああああ!」

来夢:EP 0 メモリ 5/8 メインエディタ Sublime Text3
美夢王:EP 1000 メモリ 4/8 メインエディタ Vim

「さ、Sublime Textに勝った!」
「ス、スゲェエエエエエエ」
「暗黒美夢王!」「暗黒美夢王!」「暗黒美夢王!」
「Vim!」「Vim!」「Vim!」

皆の歓声が心地良い。今も昔も、勝利の味は格別ということか。

「思ったよりやるではないか。楽しい編集(エディット)だったぞ」

我は床にへたりこんでしまった彼女に手を差しのべようとした。
だが、彼女はそれを払いのけると、

「ふん。次回は負けません」

と精一杯の強がりを見せるのだった。

「そうか。じゃあまた今度、な」

久しぶりの編集(エディット)だったが、こういうのも悪くな……うっ。

「くっ……体(エディタ)が不安定になって……力を使いすぎたのか……。我の脳がク
ラッ……シュ」
「ちょっと、どうしたのあなた。しっかりしなさい!」
我の意識があったのはそこまでだった。

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Scene 3
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気付くと、そこは学校の保健室だった。横にいるのは、誰だろう。どこかで見たことあ
るような。

「あれ、来夢ちゃんだったっけ。ずっと僕のことを看てくれたの。どうもありがとう」
「ふ、ふん。優しい言葉を掛けたところで、私には効きません。あのまま勝ち逃げされ
るわけにはいきませんでしたから。それだけです」

そう言うと、彼女はつーんとそっぽを向いてしまった。

『Vim の後継者』なんて言ってたからお近付きにはなりたくなかったのだけど、僕のこ
とを助けてくれたようだし案外悪い人じゃないのかな。

「ずっと気になっていたんだけど、あなたはもしかしてわざと……」
「ん? 何のこと」
「考えすぎよね」




暗黒美夢王の勝利の完成に湧く教室にて、ある男が暗黒美夢王のエディットの様子を眺
めていた。

「そうか、遂にVimを継ぐ者が現れたか。待ちわびたぞ」
「俺のEmacsで完膚なきまでに叩きのめしてくれる。歴史上幾度ともなく繰り返されてき
た因縁。今こそVimとの決着を付けるのだ……。ククク、ははははは!」

(「第3話:宿命の対決」に続く……)

2013年5月16日木曜日

Vim大好き男に「どのVim Pluginが好き?」と訊ねられたとき、女はどう答えたらいいの?

 注意:このエントリはフィクションです。実在する人物、団体、ソフトウェア、プラグインには一切の関係がありません。

暗黒美夢王(仮名) さんの口コミ ( 男性・Vim)

あ、まず前提として、
貴女がVim大好き男を夢中にさせることが、
はたして貴女を幸福にするかどうか、それはまた別問題だけれど。
とはいえ、Vim大好き男たちは玉石混交ながら、
ああ見えて超有名IT企業(!)に勤めているかしこい男なども多く、
したがって、釣り師たる女たちにとっては、
なかなかあなどれない釣り場です。


では、Vim大好き男に「どのVim Pluginが好き?」と訊ねられたとき、
貴女は、どう答えれば理想的でしょう?
まず最初に、その男の.vimrcが500行以下でVimの知識がそれほどある訳でもなく、
そして(Vim script書くほどではないけれど)Vim Pluginが大好きな、
そんなタイプの場合は、
貴女はかれの目を見て、微笑みとともに質問など無視して、こう言いましょう、
「わたしが、あなたのVim Pluginを作ってあげる♪」
これこそまさに必殺の答えです。


そこでVim大好き男が、えへへ、とやにさがったならば、
貴女はひそかにVimテクニックバイブルを購入し、「unite.vim をフレームワークとして使用した便利系ユナイトソース」あたりを
ひそかに作成しておきましょう。これだけで成功まちがいなしです。


しかし、ここでは、もう少しハイレベルな(?)いわゆるVim Plugin作者の男の
落とし方をお伝えしましょう。
この場合、貴女は、こう答えましょう、
「わたしは、貴方のVim Pluginが好き。
いつもgithubでよくインストールするの、ソースコードは綺麗だし、
vim-jpでVim本体の動向にきちんと気を配っているのも、大好き♪」
もしも貴女がそう答えたならば、
その瞬間、Vim大好き男の目はきらりと輝き、
かれの貴女への恋心は、
20%増量になるでしょう。

なぜって、Vim Plugin作者は、
ちょっぴりお洒落なgithubでプラグインを公開していて、
たまに来る不具合報告は胃が痛いながらも、そこがまた
ちょっぴり「ここで俺が頑張らないといけないんだ」とちょっとした優越感をかもしだしていて。
しかもVimmerがよく居場所にしているvim-jpは、
日本のVim Pluginのスタンダードを、
質高く提供していて、なおかつ、
vim_dev数多くのパッチを売りこんだ功績もあって。
したがってvim-jpこそは、
本来なんの接点もないまったく縁もゆかりもない別々の世界に生きている、
Vim(プラグイン)開発者と、玉もあれば石も混じっている、Vim大好き男たちが、
この世界で唯一認められうる場所です。


では、参考までに、危険な回答を挙げておきましょう。
Vim大好き男に「どのVim Pluginが好き?」と訊ねられたとき、
貴女がこう答えたとしましょう、
spf13に入っているプラグインが好き♪ 私は新しい環境にはいつもspf13をフルインストールするの」
その瞬間、Vim大好き男の貴女への恋心は消えます、


なるほどspf13は、外国で人気のVim Pluginディストリビューション、
有名どころのVim Pluginを無難にまとめてあるものの、
しかし、「インストールされているプラグインはなんとXX種類!」とかなんとか無意味な自慢を吹聴し、
プラグイン同士の衝突でVim Pluginについての誤謬を撒き散らした罪がありますから、Vim大好き男にとっては天敵なんです。
また、もしも貴女が「vimballでインストールできるプラグインが大好き♪ あたしお気にいりのvimballが、vim.orgに7個あるよ♪」
と答えたとしても、同様の効果をもたらすでしょう、
なぜって、vimballは、Vim 7.0時代にはパッケージ管理のスタンダードだったものの、
しかしpathogenが現れたころから、いやはやなんともなパッケージに転落し、
いまや、パッケージ管理では、Vundle, neobundleの便利さに遥かに及びません。


またもしもたとえあなたがShougo Wareが大好きで、
「わたし、Shougoのneocomplcacheが好き、vimshellも使うけど、
最高に好きなのはunite.vim♪ vimfilerも、neobundleもすっごく便利なの。」
と、答えたとしたらどうでしょう?
なるほど、貴女の知識量は相当高く、
たしかにShougo Wareは、実装がほとんどVim script であるのにもかかわらず、
便利な機能も揃っているんですけれど、
しかし、貴女の答えを聞いて、Vim大好き男はきっとおもうでしょう、
(なんだよ、マニアックなPluginを知っている女だな、設定に時間かかりそう)って。


貴女が、Vim Pluginが大好きで、お気に入りのプラグイン名を挙げるにしても、
たとえば、surround.vimならば安心でしょう、
なぜならば、surround.vimは、ふつうのVimmerにもマニアにもともに愛されるめずらしいVim Pluginで、
貴女がその名前を挙げても必ずしも、あなたがVimオタ宣言をしているとは受け取られないでしょう。
しかし、たとえば、YouCompleteMeにせよ、ctrlp.vimにせよ、quickrun.vimにせよ、
そういう複雑なPluginの名前をいきなり挙げるのは、ちょっぴり微妙。
ましてや貴女が、「実はVim PluginよりもVimのソースコードが大好き♪ わたし、Vimのソースコードをほとんど全部、理解しちゃった♪ 私と契約して一緒にVimのパッチを書こうよ
と答えたならば、どうでしょう?
これはかなり博打な答え方で、
なるほど、Vimのソースコードは、歴戦のプログラマをも唸らせる魔界ゆえ、
あなたがそう答えた瞬間、Vim大好き男がいきなり超笑顔になって、
鼻の下がだら~んと伸びちゃう可能性もあるにはありますが、
しかし、逆に、(なんだよ、この女、Vimおたく(ソースコード)かよ)とおもわれて、どん引きされる可能性もまた大です、
なぜって、必ずしもVim大好き男がVim大好き女を好きになるとは、限らないですから。
しかも、この答えには、もうひとつ問題があって、
男たちは、女を導き高みへ引き上げてあげることが大好きゆえ、
もしも貴女が、「Vimにパッチを書くのが大好き♪」なんて言ってしまうと、
そこにはもはや、男が貴女にVim Pluginをインストールする余地がまったく残されていません、
したがって貴女のその答えは、
Vim大好き男の貴女への夢を潰してしまうことに他なりません。


ま、ざっとそんな感じです、貴女の目にはVimmerたちは頭がおかしくて変態でVimのことばかり考えているように見えるでしょうが、
しかし、ああ見せて、男は男で繊細で、傷つきやすく、Vimに夢を持っています、
貴女の答え方ひとつで、男の貴女への夢は大きくふくらみもすれば、
一瞬で、しぼんでしまいもするでしょう。



では、スキットを繰り返しましょう。


そして、その「わたしは、貴方のVim Pluginが好き。
githubでよくインストールするの、ソースコードはいつも綺麗だし、
vim-jpでVim本体にきちんと気を配っているのも、大好き♪」
瞬間、Vim大好き男の目がらんらんと輝いたなら、
貴女はこう重ねましょう、
「それからね、いま、わたしが欲しいプラグインはvcs.vim。
VimからVCSを扱えると素敵って話を聞いたから。
あなたのお暇なときがあったら、わたしと一緒にプラグインを共同開発しよ♪」
これでもう完璧です。

そうなったらこっちのもの、
デートの日には、Vim makeをばっちり決めて、とっておきのVim Pluginをインストールして、
知る人ぞ知るVim 人 Tシャツを着てゆきましょう。
その日から、Vim大好き男は貴女の虜になるでしょう。
では、釣り師としての貴女の、愛の幸運と幸福をお祈りします!


あるVimmerのブログ
http://vinarian.blogspot.jp/

元ネタ:インド料理大好き男に「どこの店が好き?」と訊ねられたとき、女はどう答えたらいいの?
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002457/dtlrvwlst/3464106/

2013年5月6日月曜日

編集王 バトルエディターズ 第1話:彼の名は暗黒美夢王(前編)

注意:この物語はフィクションです。実在する人物・団体・ソフトウェア・テキストエ
ディタとは一切の関係がありません。宗教論争をする意図もありません。

注意:この物語を読んだところで、テキストエディタの知識が付くわけがありません。
物語中に存在するテキストエディタのネタはオマージュ程度であり、知っている人がほ
くそ笑む程度のものです。期待しないようにしましょう。

注意:この物語は皆の反応を見るためのテスト版であり未完成です。話の内容は予告な
く変更される可能性があります。


「ルールを守って楽しくエディット!」


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Scene 1
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時はエディタ暦 2XXX 年、古代種族プログラ・マーと呼ばれる人々は古代兵器テキスト
エディタを用いて世界を支配していた。Vim, Emacs, Sublime Text……。使用するテキ
ストエディタにより大きな派閥が生まれ、どのテキストエディタを選択するかが国家の
存亡すら左右する。そんな時代も存在した。だがプログラミングの自動化技術の発達
により、存在理由を失ったプログラ・マーは滅びてしまう。
それに伴ないテキストエディタも永遠に失われる、かと思われていた。
しかし、テキストエディタは皆が楽しめるスポーツとして独自の進化を遂げる。
これはテキストエディタを極めることに命を掛ける、少年少女たちの物語である……。

「どうしたの、じっちゃん」
朝、僕は久しぶりにじっちゃんの部屋に呼び出されていた。
じっちゃんはいつにもなく真剣な眼差しで僕を見つめている。
「修よ……。お前はそろそろエディタ使いとして一人前にならんといかん。今日はお前
に威武川家に代々伝わるエディタを授けようと思う。これがそのディスクじゃ」
「古っ! 何年前のディスクだよ、これ。よく今まで残っていたよね」
「ワシもこれが何年前からあるのかはよく分かっておらん。ワシが受け継いだときに、
こいつはすでにボロボロじゃったからの」
僕とじっちゃんの年齢差を考えると、ざっと 50 年以上は余裕で経過していることにな
る。
「まぁいくら古くても動けばいか。よーし、自分の部屋で起動しちゃうぞー」
「あ、話はまだ終わっておらんぞ。そのディスクは……」
じっちゃんが何か言っていた気がするけど、ディスクに夢中だった僕は気付かなかっ
た。このディスクとの出会いが自分の運命を変えてしまうとは知らずに……。

よし、自分の AR 端末にディスクをセット、電源を入れる。
システムの起動が開始し、目の前の AR スクリーンにディスクの内容が写し出される。
さてどんなエディタやコマンドがインストールされているのかな。

「あれっ……」
このディスク、ロックがかかってら。ロックされているなら、事前に教えてくれればい
いのになぁ。仕方ない、じっちゃんのところに戻ってパスワードを聞いてこよう。
僕は端末をそのままに、一度部屋を出ようとした。そのときだ。
突然目の前が真っ暗になった。

暗闇のなかで聞き覚えのない低い声が響いている。
『我の名は暗黒美夢王。我を目覚めさせたのはお前か……?』
暗黒……美夢王(ダークビムマスター)? ひどいネーミングセンスだ。
こういう変わった名前を付けたがるのは、厨二病の人特有らしいと聞いたことがある。
この人は典型的な厨二病患者みたいだ。
「君はどこから話し掛けているの」
『ふむ。質問を変えよう。お前にとって、テキストエディタとは何だ』
「……」
なんて自分勝手なやつだ。僕はとりあえず無視を決めこんでいた。
『お前にとって、テキストエディタとは何だ』
「……」
『お前にとって、テキストエディタとは何だ』
「……」
『お前にとって、テキストエディタとは何だ』
『お前にとって、テキストエディタとは何だ』
しつこいな。仕方ないので答えておくことにする。
「大事なパートナー……かな」
『ふむ、悪くない。ずっと閉じこめられているのも飽きていたところだ。これ よりお前
に付いていくこととする』
僕に付いてくるだって? どういう、意味なんだろう……。
意識はそこで途切れた。

部屋は元のままだった。
「あ、ディスクのロックが解除されてる。ラッキー」
さっきロックされていると思ったのだけど、自分の勘違いだったのかもしれない。
じいちゃんに聞く手間が省けた。
「さてメインエディタはと、V…I…M…。Vim!?」

Vim、それは別名千年エディタ。千年以上の歴史を持つからそう名付けられたらしい。
一時は世界一のユーザ数を誇っていたんだけど、あまりのソースコードの複雑さによっ
てメンテナンスができなくなり、滅んでしまったと伝えられているんだ。もう Vim のバ
イナリもソースコードも残っていないらしい。それがなぜ、じっちゃんの持っている
ディスクにあるんだろう。

僕はふと時計を見る。
「もうこんな時間。早く学校に行かないと遅刻だぁーーー!」
そのまま学校へと向かうのだった。

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Scene 2
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僕の名前は威武川修(いぶかわ しゅう)。テキストエディタを専門に学べるエディタア
カデミアに通う、普通の高校生だ。ちょっと普通と違うところといえば、みんなより
テキストエディタに興味があるってことカナー。

僕のディスクにインストールされた Vim。これを使って、きっと千年エディタの秘密を
解き明かしてみせるんだ。

「修、何をニヤニヤしているんだ? 気持ち悪い」
彼にも今日の僕がちょっと違うことが分かるらしい。なんてったって、今の僕は Vim 使
いなんだから。Vim使いはつらいなーー。朝から人気者で困っちゃうなーー。
まぁ、彼にVimの事を知らせるのは後でもいいよね。今は誤魔化しておくことにした。
「えへへ、何でもないよー」
この人は派戸能人(はど のうと)君。notepad 使いなんだ。僕とは別のクラスなのに、
最近よく絡んでくるんだよね。
「今月号のエディマガ見たか?」
「あ、見てないや」
そういえば、発売日は昨日だったっけ。買ってはいたんだけれど、すっかり忘れていた
よ。朝はいろいろあったし……。
「今回は Sublime Text 特集だってさ」
「Sublime Text? うーん、知らないエディタだね」
「雑誌が特集するくらいだからな。最近使用者増えているらしいぜ」
「ふーん」
正直、Vim のことで頭が一杯な僕には他のエディタに対して興味が持てなかった。
Vim可愛いよVim

「こらこら、席に付けーー」
この人は海(かい)先生。vi/Vim 系のエディタを使う人が集まる V(ブイ) 組の担任だ。
先生も昔は vi 系のエディタを使いこなしていたらしい。

「今日は転校生を紹介する。Sublime Text 使いの差部来夢さんだ」
「よろしくお願いします」
「なんで、Sublime Text 使いが V 組に?」
実は、エディタアカデミアでは使用しているエディタによって組が分かれている。
ここV組はvi/Vim用のクラスなんだけど、Vimが失われた現在では、vi組のようになって
しまっているんだ。僕もこのVimを手に入れるまではvi使いだったし。
「いろいろあってな……」
(買収だ……ざわざわ)
先生が肩を落とす。
やはり、よほど強引な手を使ったらしい。なんでそこまでしてV組に入ろうとしたんだろ
う。お世辞にも、現在 V組はそれほど人気のあるクラスではない。
「それでは、来夢さん。自己紹介を」
「こほん。差部来夢です。皆さんに私がこのV組に入った理由をお教えしておきましょ
う。私の使用エディタはSublime Textですが、Vim の後継者でもあります。なぜなら
ば、Vimモードを備える Sublime Text こそが Vim をも越えるエディタだからです」
Sublime Text 使いなのに、この人は何を言っているんだ。かかわり合いにならないよう
にしよう。
少女の突飛な主張に騒がしくなる教室。担任もその騒動を止めるのに苦労してい
るようだ。
……うっ! 俺の意識は朝のときのように、とつぜん、遠のいて……。何も見えなく
なった。

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Scene 3
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我は聞きずてならない彼女の言葉に一気に覚醒、大声を上げた。宿主には悪いが、
彼はちょっと眠ってもらっている。

「ちょっと待った!」
「何ですの?」

「修くん、何をやっているんだ。座りなさい」
静止の声が入るが、我は止まらない。止まるはずがない。テキストエディタの平和を守
る、それが我の使命だ。

我は声高々に宣言する。
「人にはエディタ選択の自由がある。お前が何のエディタを使用しても構わない。だ
が、『自分こそがVim の後継者』との主張には異議を唱えさせてもらおう」
「誰なの、あなたは」
名を尋ねられたら、答えざるをえない。
「クックック……。我こそは、Vimの真なる後継者。使用エディタは本物のVimだ。そう
だな、暗黒美夢王 (ダークビムマスター)とでも名乗っておこうか」
(なんか始まったよ……ざわざわ)
(Vim? 本物?)
(後継者とかマジかよ……)
(新手の寸劇じゃないの)

「それでは、どちらが Vim の後継者に相応わしいか勝負です!」
転校生の少女、来夢はカバンより自分のディスクを取り出す。
「良いだろう、受けてたつ」
我もディスクを取り出す。我が半身(Vim)よ、出番だ。

そして教室内で勝負が始まる。もはや周囲の皆は止めても無駄だと諦めた様子であった。
むしろ積極的にヤジを飛ばしている。まぁこれくらいないと雰囲気は出ないだろう。
肩慣らしには丁度良い。

バトルエディターズの試合は 自分のエディタとコマンド群をイン ストールしたエディ
タディスクを用いて行う。古代においては、液晶モニターと呼ばれ るものを用いてエ
ディットしたようだが、現代では場所を選ばず持ち運びもやり易いAR モニターが主流で
ある。

「エディタディスク セット!」
「メインエディタ 実行開始!」
「AR モニター リンク完了!」
「「編集(エディット)!」」

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Scene 4
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バトルエディターズのルールに従い、互いのエディタプレイヤーは己の分身となるメイ
ンエディタを実行し、ディスクよりコマンドを 4 つメモリ上にロードする。双方の EP
(エディタポイント)の初期値は 4000。バトルエディターズではこれを 0 にしたプレイ
ヤーの勝利となる。

- TURN 1 -

来夢:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Vim

「先行は私です。私のエディット・ターン。ロード!」
来夢が先行して、ディスクよりコマンドのロードを行う。
「私はメモリ上のSublime Text2 に対してプラグイン『Vimtage Mode』をインストー
ル。プラグインがインストールされたことにより、Sublime Text2 の機能を実行。戦闘
力を 400 Pアップさせます」

Sublime Text2 戦闘力 1100 + 400 → 1500

「先攻のこのターン、私のエディタはバトルできません。ターンを終了します」
相手はいきなり Vim化プラグインをエディタにインストールして仕掛けてきた。
自分こそがVim 使いである、という意地なのだろう。

来夢:EP 4000 メモリ 5/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Vim

「我のターン。ロード!」

「我はプラグイン『neo-shell』をVimにインストール。プラグインがインストールされ
たことで、Vimの機能を適用する。戦闘力 500P アップ!」

Vim 戦闘力 1000 + 500 → 1500

現在のVimの戦闘力はSublime Text2と互角である。この状態でバトルをしても相手のEP
にダメージを与えることはできない。ここは相手の出方を見るとしよう。
「我はこれでターンを終了する」

「フン。まずは様子見といったところなのかしら」

- TURN 2 -

「私のターン。ロード!」

来夢:EP 4000 メモリ 6/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 4000 メモリ 5/8 メインエディタ Vim

「こちらから行かせてもらいます。私はプラグイン『Vimtage Mode』の機能を適用しま
す。これにより、私の Sublime Text2 は Vim としても扱うことができます。『ビム
テージ・チェンジ!』」
「さらにVimとなったSublime Text2に対して、特殊コマンド『モード変更』を適用。こ
のコマンドの機能により、Sublime Text2の戦闘力は 1000ポイントアップ!」

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|Vimtage Mode:プラグイン・Sublime Text
|このプラグインはSublime Textにのみインストールすることができる。
|機能『ビムテージ・チェンジ』 このプラグインをインストールした Sublime Text は
|Vim としても扱う。ただし、Vimのプラグインはインストールすることができない。
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Sublime Text2 戦闘力 1500 + 1000 → 2500

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|モード変更:特殊コマンド・Vim
|このコマンドの機能はVimにのみ適用することができる。
|機能『ビム・モードチェンジ』 このターンのみ、Vimの戦闘力は 1000 ポイントアッ
|プする。ただし、この機能を使用したコマンドはモード遷移状態となるため次のターン
|攻撃ができない。
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「さらにSublime Text2に対して、vi/Vim用特殊コマンド『マクロ』を適用。このコマン
ドの機能により、このターンに実行された特殊コマンドを再度適用します。再度『モー
ド変更』を適用。Sublime Text2の戦闘力はさらに 1000ポイントアップ!」

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|マクロ:特殊コマンド・vi/Vim
|このコマンドの機能はvi/Vimにのみ適用することができる。
|機能『マクロ・エグゼキューション』 このターンに実行された、「マクロ」以外の
|vi/Vimの特殊コマンドの機能を再度適用することができる。
 -------------------------------------------------------------------------------

Sublime Text2 戦闘力 2500 + 1000 → 3500

「Sublime Text2でVimに対してバトル!」

来夢:EP 4000
美夢王:EP 4000→2000

Sublime Text2のアタックにより、双方の戦闘力の差が美夢王のEPから引かれる。バトル
エディターズにおける敗北とはメインエディタがクラッシュをしたときである。メイン
エディタはエディタ同士の戦闘に敗北してもEPが残っている限り、クラッシュを免れ
る。つまり、EPこそが自分達のライフのようなものだ。

「これがSublime Textの……いいえ、私の『Vim』の力ですわ」

「くっ……」
やはりVimtage mode前提のディスク構成になっているらしい。これを早く何とかする必
要がある……。

「私はこれでターンを終了します」

信じるしかない。自分のエディタを。我はディスクから渾身のロードを行った。
「我のターン! ロード!」

来夢:EP 4000 メモリ 4/8 メインエディタ Sublime Text2
美夢王:EP 2000 メモリ 6/8 メインエディタ Vim

(続く)