2014年7月11日金曜日

「Vim script テクニックバイブル ~Vim使いの魔法の杖」について

皆の者、我は暗黒美夢王である。執筆者の一人である Shougo に頼まれ、今回は我が「Vim script テクニックバイブル」の紹介を行う。
この書籍に関しては mattn 氏が既に紹介しているので、できるだけ被らない情報を出していくことにするぞ。

最初に注意してもらいたいが、これは「純粋な Vim script の学習のための本」であ
る。よって、Vim プラグインについては一部を除き全く取り上げていないので注意する
ように。Vim プラグインについて知りたかったら、前作である「Vim テクニックバイブル」を参照するのだ。もちろん、書籍中に暗黒美夢王が登場したりといったサプライズもないぞ。

これまで Vim script を学ぶ修行というのは険しく、辛いものであった。
我も「闇の Vim の使用法を極める」という職業柄、他人より「Vim scriptを学ぶにはど
うすればよいか」を聞かれることがあ り、その度に苦しんだ。我が Vim script を学ぶ
ことができたきっかけは Vim plugin を書いたからである。その上で、徐々に知識を
アップデートしていったのだ。

Vim script の知識は Vim plugin や Web, :help で吸収することができる。
しかし、 Vim plugin のソースコードや Web の情報は初心者には正しいかどうか分から
ないし、:help は内容が正確だが分かりにくい。
この書籍は執筆時点での最新版である Vim 7.4 に対応しているうえに執筆陣は大ベテラ
ンなので極めて信頼のおけるものである。「Vim script を学ぶためのとっかかり」と
なり、「迷ったときにすぐに戻ってこれる」ものとなるだろう。

これより、内容の紹介に移る。

第一章は Vim script の基本を解説している。紹介している事項は極めて基本的なもの
であるが、読者が Vim script について全く知らない場合は、ここを読むだけでも勉 強
になるであろう。

第二章は Vim script の実行方法と一通りの文法を解説している。第一章と同じく、初
心者には極めて有用な章である。

第三章は応用編となる。silent, execute, マッピングなど、Vim script を書く上
で重要なテクニックについて紹介している。これは本格的に Vim plugin を書きたい場
合に必要となる知識だ。

第四章は Vim script の実行方法である。Vim script はどのようにして実行されるのか
を知ることができる。キーマッピングや補完についても解説されている。

第五章は簡単な Vim plugin を作成し、これまでの復習を行う。

第六章は組み込み関数リファレンスである。Vim script でよく使われる関数をまと
め、:help に載っていない Tips 情報をできるだけ紹介した。これは書籍にしかできな
いことであり、この本はこの章だけでも購入する価値があるはずである。
ちなみに、Vim script のよく使う関数しか解説していないにもかかわらず、この章だけ
で 40 P を越えている。

第七章は上級編である。Vim script のデバッグ情報、高速化の方法、最小構成の作り
方、Web API を Vim から使う方法、vimproc、外部インタフェースについてなどが載っ
ている。

mattn 氏も書いているように、この書籍の執筆には KoRoN 氏の尽力が必要不可欠であっ
た。KoRoN 氏がいなければ、この本が出版されることはなかったであろう。我からも、
ここに感謝の意を表明しておきたい。

さて、豪華な執筆陣と確実な内容、賢明な読者は値段が気になっているのではないだろうか。
「でも、お高いんでしょう?」
「こんなにも内容が充実した書籍がなんと 2786 円(消費税 8% 税込) !」
消費税が上がり、世知辛い世の中になんと 2786円(消費税 8% 税込) なのである。
前作の Vim テクニックバイブル(3218 円:税込)よりも安く、値段が 3000 円を余裕で切ってい
るのはもはや脅威だ。個人的には 3000 円を切るか切らないかで書籍の購入のための心
理的障壁がかなり異なる。特に学生にはこの点が重要となるだろう。

これを読んでいる君、悪いことは言わない。この書籍の発売後には書店へ急ぐべきである。そして我の言っていることが真実であるのかどうか、その目で確かめてほしい。