2022年11月27日日曜日

既存の DCG のアンチテーゼ、マーベルスナップへの期待について

 この記事は「最近の DCG 界隈の現状について」の続編である。

2021 年から 2022 年、DCG の閉塞感があった現状に颯爽と現れたのが新星「マーベルスナップ」である。
マーベルスナップは既存の DCG としてとても異質であり、アンチテーゼであるとすらいえる。しかし、私はマーベルスナップに期待をしている。
ここでは私がなぜそのように思ったのか解説していこう。

マーベルスナップの一番の魅力はなんといってもそのカジュアルさである。一試合が 3 分である(※ 1)。
DCG の中では試合が短いハースストーンでさえ試合に 5 〜 10 分はかかるのである。
どのようにしてマーベルスナップは 1 試合を 3 分にできたのか。
その秘密は「同時ターン」と「6 ターンで強制終了」にある。
6 ターンでほぼ必ず試合が終わる上に、自分と相手が同時に動くので待ち時間が最小限に抑えられている。
よって 1 試合がとんでもなく短くなるのである。私はここまでの割り切りに衝撃を受けた。

最近の DCG で問題になっているのはなにであろうか?
そう、ゲームの長さとテンポの悪さである。ハースストーンでさえ体力の増加やコントロールの強化によってゲームが長くなってきているのだ。
20 分も試合を続け、結果負けたとしたら萎えてしまわないだろうか? 少なくとも私は萎える。逆に勝ったとしてもゲームを続ける気力は残らないだろう。
そしてこれにより DCG をスマホでやるのは難しくなってしまった。あなたはスマホを持って外出しているとする、20 分も試合の時間を取れるだろうか。
つまり現代の DCG とはスマホで外出時、ちょっとした空き時間にやるものではない。
自宅でじっくりと腰をすえてやるようなゲームとなってしまったのだ。果たしてこれでよいのだろうか。
もっと手軽に暇潰しとして楽しめるようなゲームが求められていたと私は思う。マーベルスナップはその条件をうまく満たしてくれている。

マーベルスナップを開発したのは、なんとあの「ベン・ブロード」氏である。彼はハースストーンの生みの親としてよく知られている。
ハースストーンはゲームのテンポとカジュアルさを重視していて、DCG の元祖とも呼べるゲームだ。
私はマーベルスナップこそが「ベン・ブロード」氏が本当に作りたかったテンポとカジュアルさのゲームではないかと思っている。

マーベルスナップには既存の DCG にある様々なものが削られている。
特徴的なのは、カードパックがないということだ。
カードパックの代わりにカードを使い込むとカードのレベルが上がってコレクションレベルが増加、カードをランダムで入手するという仕組みになっている。
「カードをランダム入手」というのがポイントである。なんと、このゲームでは欲しいカードを運で引き当てるまで好きなデッキを組むことができない。
最強デッキランキングもほとんど無意味なものとなる。更に最初のうちは手に入るカードが固定化されているので、リセマラなんてものはない。

正直に言おう、このゲームの構築戦は実質的にカードパックの引きによるドラフトなのである。ドラフトなので、もちろん運により資産の格差はあるだろう。
しかしそれこそがマーベルスナップの面白さを生んでいると私は思う。

任意のデッキを作るのが難しい、最強のデッキが簡単に組めないこの仕組みについて、ストレスが貯まるという人がいるかもしれない。
その気持ちは分かる。ただ、考えてほしい。任意のカードが簡単に入手可能な世界は本当に幸せなのかと。

私は現在のカードゲームの問題点に「ゲームテンポの問題」ともう一つ、「カードの消費が早すぎる」ことがあると考えている。
マーベルスナップは確かに「カード資産が不平等」なゲームである。現代のカードゲームは「カードの入手は平等」となっている。

DCG として代表的なハースストーンの拡張のリリースは 4 ヶ月毎だが、その環境はどう変遷していくか皆さん理解しているだろうか(※ 2)。
私はある程度ハースストーンの経験があるので解説しよう。以下の通りだ。

* リリース初月: 環境は 1 週間もあれば固まる。一応メタも回るが、メタが回らなかった場合環境が固定化されナーフの要望が強くなる。

* 2 ヶ月目: ナーフがある。ナーフ後も一週間もあれば環境は固まる。また不満が強くなる。追加カードがリリースされる。

* 3 ヶ月目:もはや環境には閉塞感がある。ナーフでなんとか間を持たせるが限界がある。同じことの繰り返しで虚無となる時間をイベントでギリギリ持たせる。

* 4 ヶ月目:ユーザーのストレスが限界になったところで華華しく新弾の情報が出てくる。大規模なイベントでユーザーの関心を集め、一ヶ月後のリリースに期待を持たせる。
新弾情報で妄想する、ここが DCG で一番楽しい時期といっても過言ではない。

なんと新弾の賞味期限は実質的に 1 週間、長くとも一ヶ月である。あとは延命にすぎない。もはやハースストーンのリリース間隔は崩壊していないだろうか。
私の経験上、他の DCG でさえ新カードのリリースのペースは完全に間に合っていない。私は二ヶ月で新弾を出すゼノンザード世界にいたが、それでもパックの発売間隔が早すぎるとは思わなかった。
ユーザーの消費速度を考えるとそれこそ、一ヶ月おきの新弾発売でもよいだろう。そしてカードのインフレはどんどん進んでいくのだ。

ハースストーンでは新弾で 150 枚ほどのカードが追加されるのに、なぜなんだとそう思うかもしれない。ここにはカラクリが潜んでいる。
確かに一度に大量のカードが追加されるのだが、構築で使われるカードは一部である。
ざっとであるがよく使われるカード 50 枚、やや使われるカード 50 枚、全然使われないカード 50 枚といったところだろうか。
強いカード、強いコンボ、強いデッキが明らかになると、皆が同じようなカードを使うようになるのである。そして、その研究は新弾発売後一週間もあれば終わる。
わざわざ弱いカードを使う人はいないだろうし、強いデッキの情報はいくらでも手に入る。それなら強いカードのみ使われるのは当然で、デッキ選択の幅が狭まっている。
結果、環境が膠着するとユーザーは飽きてしまい「新弾はまだ?」となる。これはそうなるだろう。

さて、なぜ皆同じデッキを使うことができるのだろうか。それは「カード入手の機会が平等で、簡単に任意のカードが手に入る」からである。
これは DCG で特に顕著だが紙でも状況はあまり変わらない。欲しいカードはお金を出せば簡単に入手が可能だ。
なるほど。確かにこれは誰もが平等で素晴しいシステムである。インフレにより環境が簡単に崩壊する、弱いデッキに居場所がないことを除けば。この仕組みでバランスが崩壊しないほうが無理がある。

それではマーベルスナップではどうか。強いとネット上で紹介されるデッキはまず組むことができない。資産が足りないからだ。
ユーザーは持っているカードでなんとかするしかなく、相手が使ってくるデッキや「これは強い」と紹介されているデッキを羨ましいなと思う。
マーベルスナップにおいてカード一枚一枚の入手はとても貴重である。それだけカードへの思い入れは強くなる。
自分だけのオリジナルのカードプールで自分オリジナルの戦略で戦っていくのである。このドラマは誰にも真似することができない。
これはある意味でローグライク。皆さんもその体験を一度味わってみてほしい。

もちろん、資産は不平等であるため時には相手が自分より強いカードを使ってくるかもしれない。
でも、全ての人間が強いカードを持っているわけではない。これは弱いデッキでも十分戦えることを意味する。
「資産が平等なので自分を含めて誰もが強いカードを使ってくる」他 DCG での常識と「資産が不平等なので、相手が自分より強いカードを使うかもしれない」には大きな違いがあるのである。
ドラフト戦で引きが悪くても、その手札でなんとかなったり割り切ることができる、資産不足しているがゆえの楽しさというのを感じたことはないだろうか。
せっかくカードが追加されても、他のカードより弱いので構築戦では使用不可能であると思ったことはないだろうか。全ての問題は繋がっている。

ユーザーのプレイ状況により今後変更されるかもしれないが、予定されているマーベルスナップの追加カードのペースはなんと「週 1 枚」である。
これはよくあるソーシャルゲームと同じくらいのペースとなる。
普通のカードゲームは三ヶ月 100 枚、週に 8 枚である。なんと 8 分の 1 しかない。
従来の DCG に慣れている人はこれで足りるのかと思うかもしれない。

確かにマーベルスナップの追加カードの枚数は最小限かもしれないが、そもそも他 DCG の 3 ヶ月に 100 枚というのは追加される枚数が多すぎないだろうか。
カードゲームというのは明らかに開発側のカード追加の負担が大きすぎる。それなのに一部のカード以外は外れであり使われない。
だとすると、実質的にカード枚数は三ヶ月 30 〜 40 枚、かなりギャップが埋まってきているのが分かる。
カードの大量生産、大量消費というのが現状のカードゲームである。これは新カードを大量にパックに詰めないといけないカードパック方式だからだ。
ほとんどの DCG 運営はカードの追加やバランス調整だけで一杯一杯であり、イベントや他の部分を気にする余裕がなくなっている。
マーベルスナップ運営が新カードの追加以外にも注力できるなら、今後もっと良いゲームになることが期待できる。
問題となるのは、「カード資産の追加ペースにユーザーが我慢できるか」となる。これはやってみないと分からない。

マーベルスナップにはカードパックという概念がないので、任意のタイミングでカードを安定的に追加できる。これのなにがよいか。
カードが少しずつ追加されているので、環境の変化をゆっくりと味わうことができるのだ。
そもそもマーベルスナップではカードの入手が遅いので一気にカードを手に入れることができない。
いわゆる「新弾発売前、カードの入手にワクワクしている状態」が長く続くのである。

これが他のカードゲームにはない、以下のマーベルスナップの特徴を生みだしている。

* 大半のカードが何かしらの使い道がある。他のカードゲームより完全な死に札が圧倒的に少ない。汎用性の低いカードでも専用デッキに居場所がある。

* 特定のカードにヘイトが向きにくい。もちろん強いカードは存在するのだが、皆が当たり前のように持っているわけではないし、カードへのヘイトより先に自分が使いたくなる。ここまで特定カードへのナーフの要望が少ない DCG は見たことがない。

* 環境が固まるのが非常に遅い。現在リリース後一ヶ月と少し経つのだがそれでも環境の全貌が見えない。他の DCG 基準で考えると異常である。
そもそも強いデッキが見つかっても容易に組めないのだが。そしてカード追加があるのでまた環境は変わるだろう。

マーベルスナップはほぼ全てのカードに使い所があるのである。もちろん明らかにパワーの高いカードや
例を挙げる。私はマーベルスナップにおいてシリーズ 1, シリーズ 2 のカードで全く使われてないものを見たことがない。
もちろん、パワーがやや低くバフをしてあげたほうがもっと活躍できるカードはあると思うのだが、それでも全てのカードが使われるというのは凄いことである。

更に、ランダムなロケーションと頻出ロケーションにより環境の固定化がしにくくなっている。
いかに強いデッキであってもロケーションにより容易に戦略が崩されるので、どんなデッキにもワンチャンスが生まれるし確実に勝てるデッキは存在しない。
頻出ロケーションとは定期的に出やすくなるロケーションが変化するイベントを指す。
頻出ロケーションにより強いデッキは異なり、ユーザーは頻繁に使うデッキを組替えることになるので、これでもメタが短期的に変遷することになる。

マーベルスナップは限られたカードプールをランダム性により長く楽しむということに特化しており、それでいて定期的にカードが追加されるとなるとずっと遊べるゲームといえるということだ。
カードが少しずつ増えるので、少しずつデッキを改良するということもできる。他のゲームで大量にカードが追加されると、新弾の構築をするまで一苦労とならないだろうか。
マーベルスナップではそういったことはない。

12 月より、マーベルスナップは任意のカードを生成できるような機能が追加されるらしい。これにより、マーベルスナップの良い所はなくなってしまうのだろうか。
環境には強いデッキばかりが溢れるのだろうか。短期的には多少悪化するかもしれないが、長期的にはそうはならないと考えている。
それは任意のカード生成のために必要なトークン入手の方法が絞られているからである。
あくまでいつまでも新カードが手に入らないというストレスの軽減のための仕組みといえるだろう。

更に、マーベルスナップの新カードの追加方法がよくできている。
カードは最初にシリーズ 5 に追加され、それらはレアで入手難易度が高い。しかし時間が経つとカードは安くなり容易に入手可能になる。
新カードがどうしても先に欲しい人は課金したほうがよいだろうが、そうでなければ安くなるのを待てばよいのだ。
課金者への優位性をある程度残しつつ、課金しなくても十分に遊べるバランスである。

他にマーベルスナップがうまいと思っているのは、「撤退が重要な戦略である」ということである。
撤退せずに負けると大量のポイントを失うことになるので、勝ち目がないと思ったら早々に撤退することが求められる。
早々に撤退することで傷が浅くなるので、ストレスを感じにくい。自分が勝負をするときは「勝てる」と思ったときである。
これで負けるのは「ギリギリ計算が足りなかった」、「自分の考慮外のカードを使われた」ということであり自分の責任と思えるのである(※ 3)。

私がやっているマーベルスナップの遊び方は「デイリーミッションの消化」くらいで止めることである。
もちろん、やろうと思えばもっとプレーできるのだが、少し物足りないくらいで止めるのが丁度良いと思っている。
これくらいでも十分にマーベルスナップの魅力を楽しむことができるし、カードが全然集まらないといったことはない。
どうせカード入手のスピードは遅くなっていくので、毎日短時間長期に楽しめるゲームとしてマーベルスナップを遊ぶのがよいと思うのだがどうだろうか。
もし、あなたがマーベルスナップをやるのが辛くなってきたら、「ミッション消化のみ楽しむ」ことを私は推奨する。
ガッツリやりこまなくてもこのゲームは楽しいということを伝えたい。

マーベルスナップはなんと 8 時間毎にデイリーミッションが更新される。DCG としては異例である。
8 時間毎にいちいちアプリを開くのか、とやったことない人には面喰らうかもしれないが、8 時間毎にアプリを起動するのが全く苦痛でないのである。むしろ楽しみになる。
私は DCG 歴が長いのだが、デイリーミッションがここまで楽しかったゲームも実はなかった。他のゲームはただの作業に思えたものである。
私がゼノンザードをやっていたときでさえ、デイリーミッションは AI に任せて周回させていた。

マーベルスナップに向いている人は「従来の DCG にハマれなかったカジュアル勢」である。ゲームに対してカジュアルであればあるほど向いている。
逆にマーベルスナップに向いていない人は「競技勢」である。カードゲームを競技と考えている人には明らかに向いていないであろう。
カード収集やロケーションによる運要素が明らかに強い上(※ 4)に、試合の結果の分析に必要な機能は(おそらく意図的に)実装されていない。

私が最高の DCG であると思ったマーベルスナップをあなたもやってみないだろうか。
既存の DCG とあまりに思想が違うので好き嫌いはあると思うが、夢中になれる可能性はきっとあるはずである。

※ 1: ただし、1 試合があまりに軽すぎて無限に続けられるが故に中毒になってしまう人が続出している……。

※ 2: 既存の DCG の問題点とマーベルスナップが行っていることについて触れている参考資料として、この記事を見るとよいだろう。
https://note.com/nuit_blanche123/n/n4e93e4e71e92

※ 3: そもそも一試合が短いのでほとんどストレスを感じないのであるが。
マーベルスナップですら試合にストレスを感じるのなら、あらゆるカードゲームはストレスの塊であり、まともにプレーできないだろうと思う。

※ 4: マーベルスナップで特に評判が悪いロケーションとして「相手のデッキから引く」ものと「AI がプレーする」ものがある。
これらは意図的に実装されていると思われる。マーベルスナップはカジュアルなゲームなので、ひどいロケーションでも笑って撤退するくらいの心でいたほうがよい。

2022年11月26日土曜日

最近の DCG 界隈の現状について

この記事は「なぜゼノンザードはサービス終了してしまったのか」の続編である。あの記事から時が経ち様々なニュースがあった。

まず、ハースストーンやシャドウバースがなぜ生き残っているのか考えてみよう。
これは確実に先行者利益である。パズドラやモンストが現代でも生き残っているのと同じようなものだ。

新作 DCG も一時的には話題になるがすぐに廃れてしまう。一ヶ月ほど経つとゲーム性は分析されきってしまい、飽きたユーザーは元のゲームに戻っていくのだ。
既存のゲームは最初は当然粗があったもののリリースから時が経った今では完成されており、新作ゲームは独自の魅力がいくらあっても大概未完成である。
さらに新作ゲームはいつでもサービス終了の危険性がある。長年運営されたゲームのほうが安定しておりサービス終了の可能性は低いことだろう。

しかし、既存の DCG では満足できずわざわざ危険なマイナー DCG を漁る愛好家というのも存在する。
既存のゲームで満足できない場合、確かに新作ゲームを触っていく他ないであろう。
そして、そのユーザーとなるのは同じメンツである。
サービス終了したゲームに強い思い入れがあるため、サービス終了したあとも DCG ゾンビとなる可能性は高い(※ 1)。

2021 年にドラゴンクエストライバルズがサービス終了してしまった。巷では未だにライバルズゾンビを見かける。
悲しいことだが、ライバルズのサービス終了は仕方がなかったように思う。
ライバルズはドラクエという日本最強クラスの IP を使ってでさえ DCG の中堅ポジションであった。
そもそも試合時間の長さがカジュアル勢の離脱を生み足を引っ張ったのだと私は考える。何しろ DCG の中でもトップクラスに試合が長い。
スマホでできる手軽さはどこへやら、1 試合に 15 〜 20 分ほどかかるのである。これはよほどのファンしかやらないであろう。
更に、ドラゴンクエストライバルズは人口減が原因か収益性にも問題を抱えていた。デッキの核となる勇者カードの生成不可はそのために行われたと考えられる。
その後、ドラゴンクエストライバルズはソロモードの充実によりカジュアル路線を強化しようという賭けに出た。
それと同時に勇者カードが作成可能となったのは露骨とも言える。その路線が失敗してサービス終了になってしまったのだろうと私は見ている。

DCG の生き残り策として、既存カードゲームのデジタル化が一定の成功を収めている。これはなぜだろうか考えてみることにしよう。
DCG はカジュアルユーザーの取り込みに失敗している。残ったのは DCG コアユーザーだが、それだけでは売り上げはたたない。
そして目をつけられたのが「既存カードゲームの(元)ユーザー」である。
彼らはカードゲームの素養があり、年齢層も高めで金の払いもよく、未開拓の新たな DCG ユーザーとなりえたのだ。
成功は必然といえる。そのかわりに、オリジナル DCG はほとんど消滅することとなった。
紙のカードゲームを駆逐するかに思えた DCG が紙のプレイヤー頼みとなっているのである。DCG のある意味で敗北であるといえる。

最近、めっきり DCG の成功は聞かなくなったように思う。新作ゲームが国内で開発されることはなくなった。海外製作の DCG が少数日本に入ってくるようになった程度だ。
もちろん新作 DCG のほとんどは苦戦している。

2022 年の初頭にマスターデュエルがリリースされた。このゲームは待望の現代遊戯王のデジタル化を実現したゲームでありその完成度も高い。
マスターデュエルのリリースによりデユエルリンクスの人口がかなり減っていたようなので、本物の遊戯王をデジタルでやりたいという一定数のニーズは元々あったと考えられる。
マスターデュエルの問題点は現代遊戯王であるということそのものにあるだろう。あまりにゲームが複雑で 1 ターンが長い。
充実したカードゲームを楽しめると考えると聞こえはよいのだが消費カロリーが多すぎるように感じた。
それはまるでカードゲームのフルコース料理を楽しんでいるような濃さなのだ。

私はマスターデュエルを長くプレーすることで、なぜ DCG がカジュアル層に受けが悪いかの本質が分かったように思う。
ゼノンザードはカードゲームを AI 任せにすることでストレスを軽減していただけだったのだ。
だからこそ私がずっと続けることが可能であったが、問題の本質は変わっていない。
その濃いカードゲーム体験に耐えられるのは、それこそ競技勢しかいないだろう。そしてそれはゲームの衰退をも意味している。

2022 年 8 月、spellslingers がリリースされた。
MTG を簡略化し DCG に落とし込んでいる、プレインズウォーカーの個性、多色が使えるようになっているなど独自の個性を持っているのはとてもよいと思う。
ただしゲームとしてよくできていても、二番煎じであることは否めない。更に spellslingers を触っているユーザーは MTG 出身ばかりで MTGA に戻っていく傾向が強いようだ。
MTG の IP 自体が弱いということ(※ 2)、頻繁なバランス崩壊、収益性の低さ、フリーマッチすらないという機能不足を見ていると今後に不安が残る。

2021 年から 2022 年、DCG の閉塞感があった現状に颯爽と現れたのが新星「マーベルスナップ」である。
マーベルスナップは既存の DCG としてとても異質であり、アンチテーゼであるとすらいえる。しかし、私はマーベルスナップに期待をしている。
あまりに記事が長くなってしまったので、マーベルスナップについては次の記事へと譲ることとする。

※1: 例として、ウォーブレゾンビ、DXM ゾンビ、ライバルズゾンビ、ゼノンザードゾンビ、COJ ゾンビなどが存在する。

※2: もう私は断言してしまうが、MTG の IP としての力はとても弱い。「カードゲームとして」 MTG に魅力があるだけである。
IP の魅力を純粋に育てることは困難であり、既存のヒットしたゲームの IP を流用しても爆死するという例は枚挙にいとまがない。
その IP そのものが魅力的であるかどうかは外伝作品やコラボ作品がどれだけヒットするかで判断することが可能である。
IP を育てるのが一番うまいのは任天堂である。IP を育てたいなら任天堂を見習うべきだと私は思っている。

2022年9月19日月曜日

恋愛は男女平等ではない

マッチングアプリなどで、男性の悲鳴がよく聞こえます。 なぜ男性は恋愛においてここまで苦労するのでしょうか。 それは、恋愛は男女平等ではないからです。

本能的な問題により、男性は(若い)女性に惹かれるようになっています。簡単に好きになるのです。 女性の場合よくも悪くも、極端な話何もしなくても男性が寄ってきます。

分かりやすくいうと「性別が女性であるだけで、『特性:女性』として魅力へのボーナスがかかる」と考えてください。 対して男性にはなにも出生時ボーナスはありません。男女には生まれたときから差があるのです。 男性のパラメーターは自分の力で努力して獲得しないといけません。不平等ですね。

男性はこの不平等な仕組みを受け入れるしかありません。男性と女性では体力に差があるように別の性別なのだから、仕方がないのです。他の男性の条件も同じなのですから。

ならば女性は一生恋愛について安泰かというとそうではありません。 女性が恋愛について苦労するときは年を重ねたときです。なぜなら「特性:女性」のボーナスは年を重ねるごとに減っていきます。 この能力は人間が子孫を残したいと思う本能的なものであるからです。 これはその女性が子孫を残せる可能性が低いと考えられるほど減っていき、最終的にはゼロやマイナスになります。 女性の場合は「特性:女性」のボーナスを加味して自分の魅力が計算されてしまっているのです。 ひどい場合には、その他全てを無視して女性の年齢だけで魅力を感じることすらあります。 「自分の若さに群がっているのだ」と、女性がこれに気付いたときには遅いでしょう。 女性はせっかく魅力ボーナスがあるのだから、それをうまく活用するべきであり男性のような実力勝負の土俵には上がらないほうがよいです。絶望することになります。

女性の魅力ボーナスがどれほど大きいのか説明しておきます。 男性は相手の若さを見抜く力に長けています。これは子孫を残すためであり、本能的なものです。 女性の魅力は 25 歳前後でピークになり、その後急速に下がっていきます。魅力が下がってしまった女性は他の部分でカバーするしかないです。

女性の魅力値について分かりやすく解説するとこれくらいの差になります。

25 歳 +1000

30 歳 +500

35 歳 +0

40 歳 -500

男性は若い女性には甘いですが、若くなくなった女性には厳しくなります。 「あなたは若さをもっていないのだから、代わりになにを与えてくれるの?」という目で見てしまうのです。

女性の恋愛は基本的にイージーモードですが、それは「あなたが若いとき」のみです。